第1回 記号検索による特許調査絞込みの危険性

2013/04/25 1:01 に Atsushi NOZAKI が投稿   [ 2013/04/25 1:01 に更新しました ]
【発表者】:アイビーリサーチ有限会社 代表 藤澤 正人


テーマ : 記号検索による特許調査絞込みの危険性
(キーワード検索の併用の重要性)

予算や特許調査の効率を考えると、調査範囲の絞り込みは絶対条件ですが、場合によっては以下のような拾えない物件も多数存在していますので、十分注意が必要である!


【調査案件】下図対象例のように2本の光ファイバの端面接続において、屈折率整合剤等を介して接続される光ファイバ接続方式 (以下「本件」という)


【検索STEP】

サーチ範囲の決定
   ●光ファイバケーブルの機械的あるいは光学的結合に関する技術分野

予備検索
   ●予備検索を行った結果、「機械的結合」FI記号”G02B6/36”及び「光学的結合」
     FI記号”G02B6/26”が、本件が属する技術分野と推察された。

検索式確認
   ●上記のFI記号にて件数を確認したところ、2万件を超えるヒットがあったため、予算
     の関係上、本件特徴から判断して「機械的結合」のFI記号に限定した。

本検索
   ●本検索の結果、Yレベルの類似と思われる物件(代表公報:特開平07-013040)他
     数件索出された。

判断と報告
   ●本件は、特許法第29条2項に該当すると思われ、その報告をクライアントに した。

【クライアントから指摘】

   調査報告から数日後、クライアントより公報番号:特開2004-226438が漏れているの
   ではないかと指摘を受ける。

【指摘に関する確認】

   確認したところ、該公報にはFI記号の付与不足と思われる部分があることが判明し、
   結果的に今回の検索で漏れていることが分かった。

【指摘に対する対応】

   該公報は、光学的結合(FI記号:G02B6/26)を第一発明としているが、明細書等全
   文を読む限りにおいては、機械的結合(FI記号:G02B6/36)も本来付与されるべきと
   思料し、クライアントの該指摘に対し参考例をもとに説明し、さらに追加として光学的
   結合の分野においても特許検索を実施し報告を行った。

【不具合の対策】

   今回の検索では、光学的結合の分野も視野に入れていたが、予算の関係上、機械的
   結合の分野をメインにせざるを得なかったため起きた事故と思われ、対策としては、キ
   ーワード検索[”G02B6/26”*キーワード((機械+光学)*(接続+接合+結合))]でヒットする
   事も確認されたため、記号と同様キーワード検索も併用実施が必要である。


【今後の予防】

   特許調査を請け負う際、必然的に予算や納期等を提示されるが、今回のような記号
   付与不足または付与ミスが技術分野を問わず多数見受けられるので、クライアントに
   対しその辺の事情を十分説明した上で受託する必要がある。
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